睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう疾患です。
睡眠時無呼吸症候群では高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを生じるリスクが約3~4倍高くなり、特に、重症例では心血管系疾患の発症リスクが約5倍にもなることが知られています。
睡眠時無呼吸症候群になると、間欠的な呼吸停止により睡眠が妨げられるため、十分な睡眠がとれなくなってしまいます。
そのため、日中(特に昼食後)に強い眠気が襲ってきたり、集中力が低下するなど、日常生活に支障を来たすようになります。
睡眠時無呼吸症候群による自動車運転中の眠気は、重大な交通事故につながることがあり社会問題となっています。
またSASが高血圧症や糖尿病の原因となることも知られています。
しばしば日中の強い眠気を経験される方は、お早めにご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠時無呼吸症候群の検査には簡易検査と睡眠ポリグラフ検査(PSG)があります。
1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上かつ上記の症状を伴う際にSASと診断します。その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。
当院では簡易検査装置をお貸し出しすることにより、ご自宅での睡眠時無呼吸症候群検査が可能です。
睡眠時無呼吸症候群の治療
AHIが20以上で日中の眠気などを認める睡眠時無呼吸症候群では、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)が標準的治療とされています。
CPAPはマスクを介して持続的に空気を送ることで、狭くなっている気道を広げる治療法で、最も安定した効果があるとされます。
継続的にCPAP治療を行うことにより、健常人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。